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と言うのも満月の夜になると魔物は活発になる習性がある。そのため私がこの村に来てからは満月になる度こうして夜回りをしているという訳だ。
だが月が満ちるまでまだ時間があるため少し仮眠することにした。私も今日は色々なことがありすぎて少し疲れてしまった様だ。
『みんな、私は少しソファーで寝るから。みんなも眠くなったら遠慮なく私の部屋のベッドを使って寝ていいからね』
とは言ってみたものの返事はやはりない。これは心を開いてくれるまでかなり時間がかかりそうだ。
近くにあったブランケットをかけて目を瞑る。ほんの数分で意識がおちようとした時、どこか胸騒ぎがした。
...あれ、私なにか忘れてる？
『っ！そうだ魔道具！！』
やばい完全に忘れてた。
しかも約束の時間は見ての通りとっくに過ぎている。
『なんで忘れちゃうんだよ私ぃぃ』
そうヒィヒィいいながら過去の自分を恨みつつ、二階にある作業部屋で注文されていた魔道具を作り始めた。
ちなみに作業部屋の前では「なんだコイツ」と言わんばかりの表情を浮かべた片目を隠した少年と少し背が高いくせっ毛の少年が物影から覗き見している。
注文されていたものは天然石を使った簡単なお守りだったためそう時間はかからなかったが作っているうちに自然と目も覚め、窓の外もみるみるうちに真っ暗になっていた。
...夜回りついでに明かりがついていたら土下座して届けに行こうかな。
ポーチの中に作ったばかりのお守りを入れて急いで玄関に行き箒を手に取った。
『これから私は夜回りに行ってくるから。今日は満月で魔物が活発になっているから外には絶対出ないでね。すぐ戻ってくるから！』
そう言ってドアをしっかり閉め、箒に乗るとあっという間に上空へと飛んで行った。
見たところ村に張っている結界にも異常は無さそうだし特別悲鳴が聞こえる訳でもない。でも満月だけあって嫌な空気がひしひしと伝わってくる。
...よし、あと一周したら注文してくれたおばあちゃんの家に行って帰ろうかな。
Uターンしてもう一周上空から村を見渡している時、結界が破られた感覚がした。
そしてそこは不幸にも私の家の近くの結界だ。
『...みんなが危ないｯ』
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作者名：ふぁる | 作成日時：2023年11月25日 13時
