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私はもう一度魔法で先の尖った小さな氷塊をいくつか生成すると、男が持っている深紅の石目掛けて飛ばした。
男は完全に油断していたのか絶えず飛んでくる氷塊に対応しきれずよろけ、その拍子に私が飛ばした氷塊がちょうど持っていた石に当たって粉々に砕け散っていった。
そして私の読みはやはり当たった様で六人の少年らはびっくりしたように掴みかかっていた私の手足を離していった。
私はもう男に構われるのは面倒だったので横になっている彼の手足を氷で地面に貼り付けた。
「クソッおいテメェ何しやがる！！」
『もう私に構われても面倒なので暫くそこで横になっていてください。幸いにも今日は天気が良いので暫くすればその氷も解けますよ』
「チッおい！そこのガキ共！さっさと俺を助けろ！！」
男はそういうがどうやらこの子達はその場で震えているだけで、その気は無いようだった。
そんな少年たちをよく見てみると、服の隙間の至る所に痣やかさぶたのようなものがたくさんあった。
...このままこの子達をここに置いていたらいつかこの男の氷が解けた時、どんな仕打ちをされるか想像すると彼らの命が危ないかもしれない。
『はぁ...』
...まぁ仕方ない。自分でまいた種は自分で回収しないとだもんね。
『みんな、私に着いてきて』
私が彼らを守らないと。
＿＿＿＿＿
長い時間をかけて自分の家に到着すると、一目散に治療薬を6本取りに行って彼らに飲ませ、風呂場へ連れて行った。
「ｯ...」
「...！」
「...」
『...？』
風呂からあがり、その後にご飯を食べたりなどとひと段落ついたは良いが、今度はみんなして私を警戒しているようだった。
みんな私から距離をとるわ一言も喋らないわ6人でテレパシーでもしてるのか分からないが何となく避けられているような気がする。
...まぁ確かに彼らの境遇を考えてみればそうなるのも無理はない。
彼らはきっと今まで汚い大人に酷いように扱われて、終いには虐げられる日々を過ごしてきたのだ。今こそ何も干渉してこないものの、いつ私に手をあげられるか分からず気が気でないのだろう。
言わなくとも私はそんなつもりは微塵もないが、そう言ってもきっと彼らは信じてくれないだろうな。
ふと窓の外を見ると太陽がちょうど海に沈んでいるところだった。
もうそんな時間か。今夜は満月だから村の夜回りをしなくては。
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作者名：ふぁる | 作成日時：2023年11月25日 13時
