また逢う日まで【WT】 (ページ4)

今日:16 hit、昨日:2 hit、合計:1,015 hit

04. ページ4

.

...本当にそんな単純な攻撃で私に勝てるとでも思っているの？

私は男の攻撃が飛んでくる前に魔法で風を生成すると、男はそのまま突風に飛ばされて少し離れた所に建てられたボロボロの家の壁に衝突した。

威勢のいい怒号が飛んでこないことからどうやら気絶してしまったらしい。

...やりすぎたか？いやでもこれは正当防衛になるはず。

『...さてと』

そろそろ帰らないと。これから帰って魔道具を作ることも考えるといよいよ約束の時間に間に合わなくなってしまう。

だがその前に...

「...えっ？」

私は先の尖った小さな氷塊を生成して、男の後ろにいた六人の少年の両手首を縛っていた麻縄を切っていった。

『はい、もう悪い人に捕まるんじゃないよ』

六人の少年は互いの顔を見合わせて困惑しているような表情を浮かべた。

『あれ、もしかして私の言葉通じてない？』

そう考えた私は頑張って“君たちは自由だ”と言うことをジェスチャーで伝えた。

だがジェスチャーなんてあまりやったことの無い私がこんな難しいことをジェスチャーで伝えられるわけがなく、更に混乱を招いてしまった。

うーん、ジェスチャーって難しいな...

するとさっきまで困惑していた片目を隠した少年がハッとした表情を浮かべて私の後ろを見つめていた。

その目に映るのは先程まで気絶していたはずの男だった。