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このまま待っていても何も進まないだろうと思い私から質問を投げかけてみた。さっき私から話を振ったら昨日と違って少しは反応してくれたため、これならきっと何か言い出してくれるだろう。
「...その、」
少し口ごもりながら何かを言いたそうにしていたが、遂に決心したようでバッと私の目を見つめて大きく口を開き、言った。
「＿＿＿俺に、剣と魔法を教えて下さい」
『えっ...？』
剣と魔法をこの子に教える？私が？
でも...
『...ごめん。私があなたに教えてあげられることは何も』
そう。私が使う魔法は全て基礎的なものであり、特別なことは何もしていない。
剣に至っては...あの事件以来、私はもう握らないと決めていた。
「...嘘だ」
ふるふると声を震わせて目の前にいる少年が言った。
「じゃなきゃ、あんなに速い筈がない」
...確かに私は剣も魔法も威力ではなく、速さを求めてきた。
何故なら私に剣を教えてくれた師匠が言ってくれた言葉がまだ私の教えとして心に深く残っているからだ。
...いや、もしかしたらこの子はまだ魔法や剣の基礎知識すら分かってないのかもしれない。
そういう事なら...ここには基礎的な事が書かれた魔導書もあるし、それくらいなら私でも教えてあげられるだろう。
『剣を教えることは出来ないけど魔法の基礎的な事でもいいなら...いいよ、教えてあげる。でもその前にあなたの名前を教えてくれる？』
shk「...シャークん」
『うん、ありがとう。じゃあ早速外に出て実践してみようか』
そう言って本棚からもっと簡単に魔法の基礎的な事が書かれた魔導書を取り出してシャークんと共に部屋を出た。
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作者名：ふぁる | 作成日時：2023年11月25日 13時
