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翌日、早くに起きた私は昨日渡し損ねたお守りを届けに行くため箒に乗って猛スピードで注文先の宅へ向かっていた。
そう言えば急に6人も同居人が増えたため食材がもう底をついていたな。ついでに食材も買いに行かないと。
目当ての家に着くや否や、チャイムを鳴らして家主が出てきたと同時に流れるように土下座をして注文されたお守りを手渡した。
この家の家主であり、私が作ったお守りを注文してくれたおばあちゃんは少し驚いた様な表情を浮かべてから「いいのよ、気にしないで」と優しい口調でそう語りかけた。
「昨日は満月だったし夜回りもしてくれていたわよね。魔女さんは私らと違って忙しいもの。そんなに謝る必要は無いわ」
『お心遣い、感謝します。また良かったらいつでも注文してください！』
そう言うと私はおばあちゃんに手を振ってから箒に乗って村の市場へ飛んで行った。
＿＿＿＿＿
『ごはん、食べないの？』
市場で買ってきた食材で6人にご飯を作ってみたが、皆一向に食べようとしない。昨日はかなりガツガツ食いついていたはずなんだけど...
もしかして、これ私が見ていたら食べ辛い感じか？
思い立ったら即行動、と言うわけで私は6人を置いて2階に上がり作業部屋にこもった。ついでに魔法の鍛錬もしたいしね。
暫く魔導書を片手に部屋を散らかさない程度に基礎的な魔法の練習をしていると、いきなりバンッと部屋のドアが開けられた。
その大きな音に驚いてすぐに部屋のドアの方を見てみると、そこには昨日魔獣に襲われかけた黒髪の少年が私をじっと見つめて立っていた。
『どうしたの？...もしかして私が作った朝ごはん美味しくなかった！？』
そう言うと彼は咄嗟に首を横に振った。
...良かった。少しは食べてくれていたみたいだ。
そしてそのまま目の前にいる少年は何も言わないままお互い沈黙状態が続き、なんとも言えない空気が漂っていた。
...あんな勢いよく部屋のドアを開けてきたってことは少なくとも私に何か用事があってきたってことで良いんだよね？
『...えっと、私に何か用かな？』
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作者名：ふぁる | 作成日時：2023年11月25日 13時
