Dear.【Hokuto Matsumura】 (ページ2)

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「松村さん、お手紙、はい。」

たくさんのファンレター。

楽屋だけど時間あるし、暇だしちょっと読もうかなぁ。

…なんか1枚真っ白いのがある。

だいたいのファンレターは色がついていたり派手なもの

が多いから真っ白い封筒は逆に目に付いた。

''松村北斗さまへ''

綺麗な群青色で書かれたその文字になぜか引き込まれていて、

「「「「「わっ！！！！！！」」」」」

「！！？」

後ろにいたメンバーに気づかなかった(笑)

「ファンレター？ぼけっとしてどうしたの？」

そう慎太郎が聞いてくる。

「まあ、ちょっと読もうかなって思っただけ。」

そうしていたらジェシーが勝手に封を開けていた。

「ちょ、おい！俺の手紙なんだけど！」

「まぁ減るもんじゃないしいいじゃんかー！！」

「ちょっと待って、これって…」

樹が反応してる？もしかしてデビューだったりするのか？？

何があったのか、と5人で樹を囲むようにして手紙を読んだ。

正直、何かよくわからなかったけど、

俺らが誰かの支えになれているということに悪い気はしなかった。

それと同時にひとりの細くて折れてしまいそうな命が

今にも消えようとしているかもしれないと

いう事実に鳥肌がたった。

そして、わざとだろうか。

最後の方、縦に読むと「たすけて」

って。

この子は、きっと弱くて、誰かに助けを求めている。

＿＿＿＿＿＿その要求に応えてこそアイドルではないか。

そんな考えが頭をよぎった。