ほくとくらぶ。 (ページ26)

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にじゅうごページ26

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北斗サイド

『ほ、く…ん？』

寝ぼけたように彼女がそう言う。起こさないように、と京本がまた腰掛けに座らせた。

京本「…なに、急に。他の女と今まで楽しんでたくせに。」

北斗「それは仕事だからじゃん。」

京本「仕事にプライベートは持ち込まないでくれる？」

もっともなことを言われてしまい、俯く。

京本とは不仲と周りから言われるほど喋らなかった。

けど、もう不仲説は説じゃなくなる程今お互い睨み合っている。

京本「…じゃ、行くから。」

そう言って彼女の肩に手をおく京本の腕を、俺は掴んだ。

北斗「おまえ…分かってるんだろ？」

京本「…仮にそうだとして、だから送りたいと？いつも女は自力で返す北斗が？」

京本はいつも女と話すような甘い瞳ではない、冷たく嘲笑うような目で俺に話している。

そんなこと言われたら、もう何も言い返せない。

京本「ま、そう言うことだから。ちゃんとそこ理解してね。」

京本はもう一度彼女の肩に腕を回すと、立ち上がらせた。

俺はもう諦めて、その背中を伏し目がちな目で見ている。

その時だ。

『ほ、くとくん…？』

Aが、俺の顔を見た。

そして京本の肩を掴んでヨロヨロと立ち上がる。

『もう…やっといた。なんでおんなのこといたの～…わたしだって、喋りたかったのに…』

お酒がまだ回っているのであろう、ほろ酔いで急に喋るA。

北斗「ご、めん…」

戸惑いながら謝る。

京本も驚いていて、俺らの様子を振り返って見ていた。

『…あのね、ほくとくんに会うために今日きたのにさぁ、』

本音のような言葉をツギハギに並べて喋っている。

そんな彼女がかわいくて。

こんなに『愛おしい』と思った女性は初めてだった。

俺はAを抱きしめる。

『ほくとくん…？』

キョトンとしているAの腕を引いて、ドアを押した。

振り返った俺が見たのは京本が唖然としてる顔。

あっかんべ、と言うように舌を出すと扉は少し間をおいて閉まった。

『まってよぉ、』

まだ酔いが回って、フラフラな足取りの彼女をおんぶすると、駐車場まで急ぐ。

車に乗り込むと、急にAが抱きついてきた。

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