ほくとくらぶ。 (ページ25)

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にじゅうよんページ25

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京本サイド

『ほくとくん、ぜったいかのじょいるもん～！！』

京本「やば、飲ませすぎたかな。」

俺は独り言のようにそういう。

あれから１時間ほどがたった。

別に飲ませすぎたわけではない。ハイボール２杯だけなのに、めっちゃ酔ったんだ。

彼女はきっと、北斗が気になっていると言っていた美女。

女にあまり興味のない北斗がはじめて気になると言った女性。そりゃあ俺たちも気になるに決まってる。

そして、２度目のご来店。

あいにく北斗は接客中だったし、どんな女かも確かめたかったから俺が接客。

分かったことは男慣れしていない、ってとこだろうか。

Aはほんっとに今までの女とは違って、面白い反応をしてくれるから俺まで楽しくなった。

北斗がきになる理由もわかる。

横でべろんべろんになっている彼女を見た。

ほんっとに整った顔をしているな。

俺は飲みすぎた彼女をお姫様抱っこして、レジに向かった。

レジについて、ちょっとした腰掛けに座らせる。

『…お父さん、ごめんね……』

口の端から呟くようにそういう彼女。俺はなんだか胸がざわついた。

彼女は何か抱えているんじゃないか、と。

まあ俺はただのホスト。関わることも…ない、けど。

俺は彼女のスマホを取り出す。パスワード設定も何もしていなくて、「この子大丈夫かな」って心配になった。

メッセージアプリに、俺の連絡先を登録。

新しい友達の欄には、『taiga』という名前が上に上がっている。

ごめんね、A。

心の中でそう謝りながら、俺は彼女のスマホを閉じると、カバンに突っ込んだ。

ていうか、お会計もこんなべろんべろんじゃできないじゃないか。

京本「高地、お会計…」

高地「あーその子？相当お酒弱いんだね。ハイボール２杯だけなのに。」

高地がそう言って笑う。

京本「赤字になったらごめんだけど、ただにしちゃっていい？」

高地「…その分給料引いちゃうけど。」

京本「いいよ。じゃ、この子送るわ。」

読者の皆さん、他の子にはこんなことしないよ？

この子だけ。

そんなこと語りながら、俺は彼女の方を支えて立ち上がらせようとした。

その時。

北斗「俺が送る。」

北斗の声が、背中から聞こえた。

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