ほくとくらぶ。 (ページ24)

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にじゅうさんページ24

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『京本くん…だっけ。どうして私に接客したかったの？』

話しかけると、京本くんはむすっとした顔で私を見る。

怖くないんだけど。

京本「…大我。」

『え？』

その一言じゃ何も伝わらないよ。

京本くんを見ながら、私は首をかしげる。

京本「大我、って呼んで。」

『…あ、』

意味がわかって肩をすくめた。

北斗くんのことでも、『くん』付けで呼んでいるのに、初対面の京本くんを呼び捨てなんて。

悩むように俯いてしまう。

そして顔を上げると、京本くんの期待した瞳が目に入った。

『くんづけ…じゃ、駄目？』

躊躇いがちにそうたずねると、彼はすこし顔を赤らめてそっぽを向いた。

京本「…別に、悪くない…けど。」

そう言って大我くんは無料で運ばれていた水を飲み干した。

私も水を飲む。氷が唇にあたって少し冷たい。

京本「呼んでみて」

大我くんにそう言われて、わたしは笑った。

『大我くん』

北斗くんのことを名前で呼ぶ時は少し恥ずかしかったのに、今は別に緊張感はない。

京本「…かわいい」

呟くように言ったその一言は、私の耳に届いたんだけど聞き間違いだと思う。

彼は赤らめた顔を誤魔化すように、メニューを開いた。

京本「あ、飲み物は何にする？」

『…ハイボール。』

京本「おっけー。こーち！」

高地「はーい」

こーち、と呼ばれる笑顔が素敵な男性がやってきた。ウエイターさんだろうか。

京本「ハイボール１つね。」

高地「はいよ。楽しんでね。」

こーちさんは私の方を見てにこりと微笑むと、去って行った。

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