ほくとくらぶ。 (ページ20)

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じゅうきゅうページ20

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北斗サイド

いや、さ。

真っ赤なリンゴみたいな顔で、『北斗くん』と呼ぶ彼女に、俺の中の何かが割れる音。

あーやべ。車の中ってことを忘れてキスでもなんでもしたい、とか、はしたない。

お姉さんっぽい雰囲気とは違って、今俺の名前を呼ぶ彼女はとても可愛い。

そのおかげで、俺の理性は粉々になりそう。

『…じゃあ、私も呼び捨てでいいよ』

不意にそう言われて、彼女の方向に顔を向けると

顔を赤らめ、潤んだ瞳がこちらを向いていた。

…理性壊しにかかってるの、この子。

頭をかいて、少しなだめるように深呼吸をする。そしてもう一度向き直って、平然を装い返事をした。

北斗「いいの？」

『うん。全然』

そう言って柔らかく微笑むAちゃん。

あ、これからは『A』って呼ぶのか、と考える。

北斗「…じゃ、A」

俺が名前を呼ぶと、一気に顔を赤らめるA。熱でもあるのか、くらい。

そんなんされたら、俺まで照れる。

『ああ、まって…こーゆーの初めてすぎて、照れる、』

顔を覆いながらそう言うA。

あーまって。

俺の理性が保てないから、さ。

そんな可愛いことしないで。ほんとに。

こんな男慣れしてない女の子、本当に初めてでどう接したらいいかわかんないけど。

でも。
俺が全部教えたいな、なんて。

キスの仕方も、ハグの仕方も、夜の方だって。

全部あの子の初めてになってあげたい。そう思った。

この感情が、『すき』というのか、なんて俺にはわからない。

だって俺、こんなこと今までに思ったことないもん。

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