ほくとくらぶ。 (ページ18)

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じゅうななページ18

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『どこ行くんですか？』

緊張しながらそうたずねると、運転席で頭をかく松村さん。

北斗「…まだ決めてない」

そう言いながら松村さんが笑う。

その松村さんの表情は、さっきの妖艶な笑みはなく、無邪気な笑顔だった。

さっきのはやっぱり見間違い？

いや、相手はホスト。

いろんな表情を持っていて当たり前だ。

…ていうか、今の今までホストってこと忘れてた…

思い出していたら、こんな誘いに乗るはずないのに。

後悔に見舞われながら、私はバックミラーに意味もなく目線を向けた。

北斗「なんか行きたいとこある？」

『…別に、』

戸惑いがちに答えると、松村さんはどこかの停留所に車を止めた。

北斗「じゃ、どこにも行かないで仲良くなろ？」

ハンドルを持ちながら、私を上目遣いでみる。

…惑わされるな、A。

私は今までホストとなんて関わりたくないっておもってた、はず…だけど。

可愛い顔して私を見つめる松村さんをみる。

はい降参ですごめんなさいお父さん。←

遠慮しながら頷くと、松村さんは無邪気な笑顔をもう一度見せた。

北斗「じゃあ、年齢は？」

『２０…でももうすぐ２１です』

北斗「え！？じゃあもうすぐ誕生日！？」

私が年齢を言うと、驚いたようにそう言う松村さん。

…クールそうなのに、なんか…子供みたいな一面があるな、と思った。

北斗「いつ、いつ！？」

『１０月３１日。』

北斗「てことは、今…は５日だから…」

『あ、全然もうすぐじゃない、』

もうすぐとか言った割に、結構時間あったわ。そう思って苦笑する。

北斗「…じゃあ３１日、空けといて。」

でもそんな私は御構い無しに、松村さんが静かにそう言った。

『え？』

北斗「俺、がその日一緒にいたい…だめ？」

…本当に、松村さんっておねだり上手。

そんなんされたら、断れないんだけど。

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