ほくとくらぶ。 (ページ2)

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いちページ2

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『ねえ咲？どこ行くの？』

咲「いいから、ついて来て！」

大学の友達である、相川咲に手を引っ張られる。

周りは暗い。ホテル街。

なんだか、危ないところに行くんではないか。と不安に見舞われた。

見渡すと、ネオンの看板やギラギラした光が目に刺すように入る。

ホスト狂いになった母親を持ち、男手一つ、お父さんに育てられてきた。

母親のせいで、ホストは嫌いなんだ。

ホストクラブ、と書いてある看板を冷めた視線で流して歩いた。

『咲？』

黙りこくって歩く咲を、もう一度呼ぶ。

咲「…着いたよ！」

急に止まられて、私の体は咲の背中にぶつかった。咲はよろけた体を持ち直す。

ギラギラした看板の名を目で読み上げた。

看板には、『SixTONES』……

思いっきりホストクラブじゃん。

咲を睨み付けると、彼女は顔の前に手を合わせて『ごめん！』と言った。

咲「こういうとこ嫌いなのは知ってたんだけど、気分転換になるかな、って」

「最近調子悪かったじゃん？」と言われて、口を積むんだ。

確かにその通りだ。

勉強も耳から通り抜けていたし、サークルも最近行ってなかったし。

心配させていたんだ。

申し訳ないな、と目尻を下げると咲は言う。

咲「今度お詫びするし！」

『……いいよ、咲。心配してくれてありがと。今日だけだしね？』

私の意外な返事に、咲は笑った。

じゃあ、いこ！と手を引いて、ドアを押した。

ネオン街とは違った明るさに、目が痛い。

しぱしぱと目を開けて閉じてをしていると、目の前に誰かが来た。

？「ようこそ、SixTONESへ……あ、咲ちゃん！」

咲「ジェシーくん、おひさ。今日は友達連れてきたの」

ジェシーくん、と呼ばれる男性は

咲と馴れ馴れしく話している。

…チャラい。

赤髪、ピアス、長身は関係ないけど…見た目がチャラチャラしていた。

ふと瞼の裏に、ホストと母がお酒の匂いを漂わせて家に居座っていたのを思い返す。

…ああ、やっぱ無理。

拒絶反応が出て、思わず後ずさりをした。

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