おかえり、青春 (ページ23)

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バッシャーン
バッシャーン

イルカが跳ねて水しぶきを上げる音

「うぉぉ！わぁ！」

北人がはしゃいでる声

『前の人たちやばい笑』

「前行けば良かったなー」

『濡れるじゃん笑』

「濡れたかった笑」

『子供かっ笑』

一番前の席は派手に濡れてる

少し嫌がってる人
濡れてはしゃいでる子供
濡れて２人で顔見合わせて笑ってるカップル

それを愛おしそうに眺める北人

またそれを、愛おしく見つめるわたし

この手を握り返せば、何かあるのかな
名前を呼べば、いつもみたいに優しく微笑んでくれるのかな

こんなに近くにいるのに

今は少し、怖い。

北人が、いなくなるんじゃないか
いきなり消えてしまうんじゃいか

不安が消えない。

いつまでもこの時間が続けばいい。

いっそのこと、時間なんて止まればいいのに

「ん？どした？」

『なんでもないよ、』

「そ？ほら、あそこにAいるよ？」

『え？どれ？』

可愛いやつかな、

そんな期待をしたわたしがバカだった

『セイウチ？！』

「ほら、似てて可愛い笑」

『ねぇ、わたしにもセイウチにも謝って！』

「あはは笑笑」

『北人さいてー』

「僕ちゃんカワウソだからっ」

『なんなのそれ笑』

「よかった、笑ってくれた」

『…え？』

「なんかずっと暗い顔してたから、悩んでんのかなーって」

『悩んでるわけじゃ

「俺といるんだから、そんなの忘れて楽しまなきゃだめじゃん？笑ね？ほら、行くよ！」

また手を握られて引かれて

惹かれた