おかえり、青春 (ページ16)

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お風呂から上がればソファでうなだれてる北人が一番に目に入る。

『眠いなら寝てて良かったのに』

「眠くない、これ見てるもん」

『お子ちゃまですか～』

「うるさいなぁ、今日俺に抱きついてギャン泣きしてたくせに」

『なっ、それとこれとは別もんでしょうが』

ﾗｲﾝ

『あ、LINE来た』

スマホのディスプレイには

“陸”

と映し出されている。

黙ってしまった。

北人からの視線と重くなってしまった空気に固まるばかり。

「…だれ」

『学校の先生、だから仕事の同僚』

「ふーん、男？」

『そうだけど』

「その人かっこいい？」

『世間的にはカッコいい部類なんだと思う』

青山陸先生

理科の先生で歳は２つ上。

何度か２人でご飯に行ったことはあるけど
それ以上は何もない

「衣李のタイプってどんなの？」

『楽しい人。イケメン。』

「理想高」

『２つしかあげてないのに？』

「詳しくないじゃん、楽しい人って。だからイケメンで楽しい人って…俺じゃん」

『あーあ、調子乗ったー』

「否定しない？」

『北人の顔はかっこいいと思うよ、さっきも言ったじゃん。』

「えー、照れるー」

『ギャルか』

これはちゃんと本心だった。

『わたしの周りで一番顔はかっこいいと思う。』

「え、壱馬と翔吾より？」

『これは完全に好みだよね、可愛いか強めか優しいかってことでしょ？』

「可愛くないし」

『世間では北人みたいな顔を可愛いって言うんだよ』

「ちょーやだ！」

『いいじゃん、北人の顔好きって人多いよ』

「Aは？」

『…好きだよ？普通に』

普通に告白みたいになってしまう。
顔が好きって、結構な発表だけど

北人なら…大丈夫そう。