服 ページ10
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「Aさん、さっきの服着て写真撮りましょ」
「はいはい」
家に帰ってまったりしていると、また勝手に部屋に入ってきて、ニコニコしながらお店で買った服を渡してくる吉野。
そしてコイツは背中を向けて脱ぎ始めた。
いやいや、常識外れにも程があるでしょ。ねぇ。
「見てないからAさんも早く着替えてよ」
「あ、うん、」
いやいや、つられて返事しちゃったけどさぁ。
よろしくないよね、男女2人で着替えるの。
しかもペアルックだよ。モノクロの。
……よろしくないよね。()
まぁ着替えたよ。着替えたけどさ。
「Aさんもーいー?」
「いーよー」
「おぉ、めっちゃ似合ってる」
「吉野はやっぱ黒じゃないね」
「Aさんのクローゼット、黒のパーカーばっかり」
「なに、お前クローゼットまで覗いたの」
「服借りようと思って」
「アホか」
いいから撮りましょ、と完全に流される私。
全然良くないよ。うん。
「はい、ちーず」
「……吉野変顔すれば?」
「Aさんがするならしますよ」
「私変顔の仕方分からない」
「あー、いますよね、そーゆー人」
「私そーゆー人です」
インスタあげますねー、と吉野は私のベッドに横になってスマホを触り始めた。
私のベッド……。
靴下のまま普通にあがるなよクソガキ……。()
しばらくスマホを触っていたかと思うと、クソガキはぱっと起き上がってお風呂に向かった。
吉野が部屋を出た瞬間、私のスマホが鳴った。
……いや、別に?
吉野だけを通知オンしてる訳じゃないし。
RAMPAGEはみんなオンにしてるから。
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作者名:L | 作成日時:2020年3月27日 21時