吉野北人 ページ6
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「ほらAさん、さっさと機嫌戻しとかないと後でめんどくさい」
「壱馬、聞こえてる」
「……ふんっ」
「もう既にめんどくさいよ、大丈夫。ほっとけば治る。」
「Aさん、聞こえてる」
「……むっすー」
「北人、それこそ口に出して言うことちゃうで」
あぁもうほんとにめんどくさい。
こういうところだよ、吉野がうるさいの。
しょーがないなぁもう、Aさんの本気見せたる。(?)
「吉野。機嫌直して」
「……ふんっ」
「……ほく?」
「っ、Aさん!」
にっこにこしながら吉野は私に抱きついてくる。
うるさいうるさい、耳元で叫ぶな。勘弁してくれ。
とにかく吉野は扱いが超簡単。
拗ねたら下の名前で呼ぶだけで、今みたいにしっぽ振って喜ぶ。
ほらここ、テスト出るよ。
吉野のなだめ方。線引いといた方がいいよ。
「秒だわ(訳:めっちゃコイツチョロくね?)」
「Aさんさすがです(訳:思ってても言わないの)」
「……Aさん、」
「ん?」
「服買いに行きましょ?」
いやこいつ……。
学習能力ひっく……。
私は一瞬嫌な顔をすると、吉野の後ろで全力で睨んでくる壱馬。
あれみたい、THROW YA FISTの車の上で拡声器持ってるやつ。
はぁ、まじでめんどくさい……。
「……しょうがないなぁ、」
「ほんと?!やったぁ!」
吉野はぱっと立ち上がったかと思えば、上機嫌でスキップしながら部屋に戻って行った。
……え?まさかこの展開、
「え、今から?嘘でしょ?」
「……Aさん、付き合ってあげて」
「なんで!私今からゲームするの!陣代わりに行ってよ!」
「……A、ドンマイ」
「力矢さんまで……!」
まじめんどくさいあのこぶた。
ちゃんと付き合ってあげる私偉い。
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作者名:L | 作成日時:2020年3月27日 21時