ホーム画面 ページ15
.
「ねーえー。」
「うるっさいなぁもうほんと」
むっすーっとしながらいつも通りベタベタしてくる吉野。
今日はもうほんとにめんどくさいよ。聞けばわかる。
「ねぇー、なんでロック画面壱馬なのー」
「この壱馬が刺さったからに決まってんでしょ」
「じゃあLINEのホーム画面は？なんで颯太なの」
「この颯太くんが刺さったからに決まってんでしょ」
「じゃあ、」
「もーうるっさいわぁほんと」
ソファから立ち上がって読書をする壱馬の隣に座り、イヤホンを耳に突っ込む私。
後ろからちょこちょこ着いてきて、むっすーしながら左側のイヤホンを引っこ抜く吉野。
もううざい。
「……ふっ、Aさん顔(笑)」
「壱馬たすけてよ」
「ちょーっと俺今忙しいかも」
「小説読んでるだけじゃん」
「……。」
「いっちゃーん、吉野がめんどくさいー。」
「知りませーん」
だーれも助けてくれないの！
くそっ、ランペには優しい人間はいねぇのかよ！
「ほくとさぁーん、メイクしますよー」
「……はーい。」
あーかわいそ、あんなテンションガタ落ちの吉野をメイクするの難しいよ、絶対。
まぁそうさせたの私なんだけど。(自覚済み)
「……ふっ、普通にいえばいいじゃないですか」
「なにを？」
「ホーム画面は北ちゃんのめちゃくちゃ可愛い寝顔だよっ❤」
「は？アホのめちゃくちゃ笑える不細工な寝顔の間違えでしょ」
「かわいそー。(笑)」
ひひっと笑って、また小説に目を落とす壱馬。
絵になるね。ほんと。
「……なんだかんだ言って一番癒されるんだよ、あのこぶた」
「Aさんが珍しく正直」
「は、いつも正直だわ」
「うるさいうるさい言ってる北人さんにだけね」
「さっき助けてくれなかった樹のクセに生意気」
「そーゆーときもありますよ」
「ねーよ」
私はまた、アホのめちゃくちゃ笑える不細工な寝顔が映ったホーム画面に目を戻す。
……可愛いな。
なんか癒されるのがちょっとムカつく。
「……あ、北人」
「っ、？！」
「うっそー(笑)」
「……初めて壱馬に殺意が湧いた」
「怖っ！(笑)」
吉野がいない所でいじられ続ける私。
しばらく続きました。
いつか壱馬をシめたいと思います。
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作者名：L
| 作成日時：2020年3月27日 21時
