スランプ ページ18
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勢いで楽屋を飛び出した私は特に行く場所もなく、ブラブラと夜中の中目黒を散歩をすることにした。
「はぁ、……。」
無駄に桜が綺麗。
ため息でる。あー、なんか泣きそう。
それにしても人多いなぁ。バレたらどうしよう。
白いパーカー、黒いスキニー、黒いバケハ、黒いマスク、カーキのMA-1、白いスニーカー。
ダメ押しに黒いマスクに黒いバケハで不審者完成。(?)
しかも今日は負のオーラが私の周り半径1メートルに充満してるから、多分誰も話しかけてこない。……と思う。
話しかけられたとしても今の私は多分対応できない。
スランプだからしょうがない。
「はぁ、……。」
「うわぁん、(泣)」
パッと泣き声がした方を見ると、5歳ぐらいの小さい女の子がしゃがんで泣いていた。
え、10時だけど大丈夫、?
しかもこのちっちゃい子をみんなスルーするの?
……幽霊、とかじゃないよね、?
やば、怖くて涙どっか行った。()
「どうしたの?」
「ままっ、どっか、いっちゃったの、……」
女の子はそこまで言うと、またぽろぽろ泣き始めてしまった。
「あらら、えーっと、泣かないで、?」
「んん、(泣)」
ええ、こういう時どうすればいいんだろ。
子供慣れ一切してないからなぁ、……。
あ、ラッキー、飴みっけ。
吉野がくれたやつじゃん。(笑)
「あ、お名前は?」
「ゆうちゃん、……」
「ゆうちゃん。(笑) 何歳?」
「よんさい、」
「4歳。おねぇさんだ。ゆうちゃん、飴ちゃん好き?」
「すき、」
おー、やっぱりちびっこは甘いもの好きなんだね。
そりゃあそっか。(笑)
「いちごかりんご、どっちがいい?」
「いちご!」
「はい(笑)」
私の手からいちごの飴を受け取ると、急に目がキラキラし始めたゆうちゃん。
よかった、ゆうちゃん手温かかった。()
……袋開けられないの超可愛い、(笑)
普段ちびっこと遊ぶこととかないから、すごい新鮮で楽しい。
「お姉ちゃん、えぐざいるの、ら、らん、なんとかってしってる?」
「あー、らんぺーじ?」
「そう!ゆうちゃんね、そのAちゃんすきなの」
「……、Aちゃん好きなんだ」
「かっこいいんだよ、ほくちゃんはAちゃんだいすきなの」
「へぇ、ほくちゃんが、(笑)」
私の事知ってくれてる。
可愛いなぁ、ほんと。
もう1家に1台ほしいわ。(笑)
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作者名:L | 作成日時:2020年3月27日 21時