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-Hokuto side
ホテルへの移動の際、僕はAが泊まっているホテルへ行った。
A「…北ちゃん。」
北人「うん？」
A「私ね、記憶が無かったときも北ちゃんのこと好きだったよ。」
北人「…え？」
A「…あの人と一緒にいても、ずっと北ちゃんのこと考えてた。
なんでこの人なんだろうって、なんで婚約者が北ちゃんじゃないんだろうって思ってた。」
Aが僕の目を正面から見つめる。
A「私ね、きっとこの先またこんなことがあっても北ちゃんのこと好きになるよ。
北ちゃんは、私の運命のヒトだから。」
北人「A…。」
Aにそっと口付ける。
北人「…そう言えばさ、僕を思い出したきっかけってなんだったの？」
A「…歌。」
北人「歌？」
A「そう、北ちゃんの歌。
あの曲名、なにかな？星の…。」
北人「ああ、Starlight？」
そう言って僕はStarlightの歌詞を口ずさんだ。
Aが頷く。
A「それ聞いて、一緒に見た星空を思い出したの。
でも誰と見たのか思い出せなくて。
それから、北ちゃんがソロで運命のヒトを歌ってるの聞いて、なんだか聞いたことがある気がしたの。」
北人「…うん。」
A「でもどこで聞いたのか分からなくて。
そしたら、夕方の校舎を思い出したの。
誰かが運命のヒトを歌ってた。
それで気付いたの、歌ってたのは誰かじゃなくて、私だって。」
北人「…そっか。」
僕はAを抱きしめて言った。
北人「…僕ね、今日はAのために歌ったんだよ。
Starlightの途中で、Aを見つけた。
でも、その前から運命のヒトは、あれだけはAのために歌おうって決めてた。
Aに、届きますようにって。
Aだけを愛してるって伝えられますようにって。
…そしたら、届いた。」
A「うん…っ。」
北人「Aこそ、僕の運命のヒトだよ。
人を愛する幸せも、夢を持って、それを叶えることの素晴らしさも、全部Aが僕に教えてくれたんだ。
Aがいたから、僕はここまで来れた。
…本当に、ありがとう。」
Aが強く首を振る。
A「…北ちゃんに会って、北ちゃんと付き合って、北ちゃんのこと好きになって、私は今凄い幸せだよ。
北ちゃんが、私を変えてくれたんだよ。
ありがとね、北ちゃん。」
北人「東京戻ったらHIROさんに言って籍入れよっか。」
A「うん。」
Aが頷く。
その夜、僕たちは1つのベッドで抱き合って眠りに就いた。
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作者名：直実
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu
作成日時：2019年8月4日 15時
