運命のヒト―With you,Again―② (ページ1)

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-Hokuto side

家に帰って電気をつける。

北人「A…っ。」

Aがいないだけで、部屋が広く感じる。

結莉乃さんに頼んで、Aに彼女の通帳と印鑑を返したのは僕だ。

…A、どこにいるの？

また、離れてしまった。

もう離さないって決めたのに。

Aは、相田って人が好きなの？

婚約者ってどういうこと？

疑問が頭の中で渦巻く。

僕は1人でベッドに入った。

Aの温もりが懐かしかった。

…ねぇ、A。

お願いだから、僕のことを思い出してくれなくてもいいから。

もう一度僕のことを好きになって、なんて言わない。

そんなこと言わないから、戻ってきて。

僕のAにならなくていい。

どこか遠くから君の姿を見ていられるだけでもいい。

だから、もう一度君に会わせて。

もう一度、君と会いたい。

自分の中で、Aの存在がとても大きくなっていて。

ずっと、君のために歌ってきたんだ。

君がいたから、僕は夢を持てた。

夢を叶えることが出来たんだ。

だからこそ、Aが僕のこと好きだったって言ってくれて、嬉しかったんだよ。

本当にAのことが好きだった。

Aと付き合えて、本当に良かった。

できるなら…、できることなら、君と一緒に生きて行きたい。

もし、君が選んだ人が僕じゃないなら。

だったら、僕は君を諦める。

だけど、僕は君の口から答えを聞いていない。

なのに、諦められる訳がない。

A。

君の口から、答えが聞きたいよ。

もし君が相田って人を選んだのなら、そう言ってよ。

そうしたら、僕は諦められるから。

薄暗い寝室の広いベッドの上で、僕は1人涙を流した。