47 ページ49
-You side
その日の夜、私はメモを開いた。
見つかったら、きっと捨てられる。
だから覚えておかなきゃ。
何度も番号を頭の中で反芻する。
通帳には50万ほどが入っていた。
…結婚。
私と、あの人が?
…嫌だ。
どうして、私はあの人と婚約したの?
私は、あの人のことが好きだったの?
北人さんとは、どういう関係だったの?
ねぇ。
誰か、教えて。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
退院の日、私は相田の車で空港へ向かった。
バッグの中には通帳と印鑑。
メモは叔父に見つかり、捨てられてしまった。
A「…どこに行くんですか。」
雄也「宮崎。」
A「宮崎…。」
…遠い。
手荷物検査を受けて、飛行機に乗る。
私は極力相田の方を見ないようにしながら、窓の外を見つめていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
雄也「着いたぞ。」
空港から車で30分。
着いたのは、1軒の豪邸だった。
A「…え、ここ…?」
雄也「早く来い。」
中に入ると、部屋の案内をされた。
雄也「ここがお前の部屋、寝室はこっちだ。
この家でのお前の仕事は、料理洗濯掃除。
俺が帰ってくるまで起きて待っていること。
いいな?」
A「…はい。」
雄也「…ああ、それともう1つ。
俺は跡継ぎが欲しい。
その跡継ぎをお前が産むことだ。」
A「…っ。」
腕を掴まれて、寝室に連れ込まれる。
A「や…っ!」
抵抗するも、簡単に抑え込まれた。
誰か、助けて。
北人さん。
結莉乃ちゃん。
助けて。
そう心の中で叫びながら私は相田に抱かれた。
260人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:直実 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu
作成日時:2019年4月28日 17時