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-Hokuto side
A「すみません。…忘れてください。」
北人「…うん。
ごめん、僕そろそろ帰るね。
…また来てもいいかな?」
A「どうぞ。」
北人「ありがとう。」
僕はAの頭を撫でて立ち上がった。
北人「じゃあね。」
A「さよなら、北人さん。」
軽くAに手を振って病室を後にする。
北人「…っ。」
込み上げる涙を堪えながら急ぎ足で角を曲がったとき、誰かにぶつかった。
?「すみません!大丈夫で…北人さん?」
北人「え?…いっちゃん。」
いっちゃんが僕の手を取って引き起こしてくれる。
北人「ありがと。」
樹「何かありました?
…Aさん、まだ目が覚めないんですか?」
北人「…ううん、今行ったら起きてたよ。」
樹「良かったじゃないですか!…北人さん?」
北人「…でもね、A僕のこと忘れてた。」
樹「え…。」
北人「Aに聞かれたんだ、どちらさまですかって。
私とどんな関係だったんですかって。
恋人って言いたかったのに、言えなかった…っ僕はAのこと好きだったけど、私は北人さんのこと好きたったんですかって聞かれて、うんって言えなかった…っ!」
樹「北人さん…。」
北人「…んで?
なんで、やっとAと会えたのに…、
なんで、こんなことになるんだよっ!」
いっちゃんが僕の頭を胸に引き寄せる。
僕は彼の腕の中で泣きじゃくった。
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作者名:直実 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu
作成日時:2019年4月28日 17時