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-Hokuto side
北人「…誕生日おめでとう、A。」
僕ら以外誰もいない病室で呟く。
北人「…君以外の 他の誰かをまだ
好きになれずにいる こわれそうで」
運命のヒト…、か。
僕の運命のヒトはAだと思ってた。
Aの声が聞きたかった。
Aの笑顔が見たかった。
Aの声で、北ちゃんと呼ばれたかった。
Aの髪を撫でる。
がらりとドアが開いた。
北人「…結莉乃さん。」
結莉乃「…いい?」
北人「どうぞ。」
促すと、彼女は中に入ってドアを閉めた。
眠っているAに声をかける。
結莉乃「Aちゃん、誕生日おめでとう。」
そして、僕にラッピングされた箱を渡した。
結莉乃「これ、北人くんが開けて?」
北人「え?」
結莉乃「Aちゃんへのプレゼント。
代わりに開けてくれないかな。」
北人「…分かりました。」
プレゼントを受け取って、ラッピングを綺麗に剥がす。
中から出てきたのは、トップにアクアマリンが嵌め込まれたネックレス。
北人「…これ、A絶対喜びますよ。」
結莉乃「本当?良かった。」
Aの首に、ネックレスをつける。
結莉乃「…Aちゃん、早く起きなよ。
私も北人くんも待ってるよ。」
…そうだよ。
だから早く、目を覚まして。
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作者名:直実 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu
作成日時:2019年4月28日 17時