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-You side
働いているカフェに向かう。
マスター「いらっしゃ…、Aちゃん?
今日、休みじゃなかったっけ?」
驚いた顔をするマスター。
A「すみません。
今日でここ、辞めさせてください!」
マスター「えっ?」
A「お願いします!」
マスター「…分かった。」
そう言って、彼は封筒を渡してくれた。
マスター「これ、今月のお給料。」
A「えっ、でもまだ14日…。」
マスター「いいから。
なにか事情があるんだろ?」
A「…すみません、ありがとうございます。
あと、その…、もう一つ、お願いがあるんですけど…。」
マスター「うん?なに?」
A「もし、吉野北人っていう若い男性が来たら、これを渡してもらえませんか。」
そう言って、封筒を渡す。
マスターは頷いて、封筒を受け取ってくれた。
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マンションに戻って、必要なものをスーツケースに詰める。
A「…よし。」
呟いて立ち上がる。
もう、北ちゃんのことは忘れよう。
スーツケースを引いて、空港へ向かう。
飛行機のチケットはさっき取った。
携帯を見ると、北ちゃんから何件も留守電が入っていた。
北人『A、どこにいるの?』
北人『お願い、返事ください。』
北人『電話出て。僕、何かした?』
違うの、北ちゃんは何も悪くない。
全部、私が悪いの。
だから、こんな女のことはどうか忘れて。
新しい恋を探して。
別の誰かと、幸せになって。
いつまでも過去に囚われないで。
北ちゃんには、前だけを見ていて欲しいから。
飛行機の窓から東京を見下ろす。
さよなら、北ちゃん。
大好きだったよ。
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作者名:直実 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu
作成日時:2019年4月28日 17時