行間 (4/18) ページ1
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「…あと、敬語、やめれる？」
申し訳ないんだけど、と前置きをした北斗くんが言った。
「あ…嫌ですか？」
「嫌とかじゃなくて、ちょっと距離感じるというか」
「わかりました」
「ほら」
「あっ、わかった」
「うん、徐々に慣れてけばいいから」
いい子いい子、とでも言うみたいに頭を優しく撫でられて、
自分が猫になった気分。
しばらく撫でると、にっこりと満足したように笑って
コントローラーを持ってゲームを操作する北斗くん。
もう終わり？
さっきの続きは？
わたしが、キスに慣れてないから、、？
子どもだなって飽きられちゃう前に、
北斗くんが大人の女の人に目移りする前に、
私から何か起こさなくちゃ。
私の右腕に、たまにふれる先生の左腕。
きゅ、と掴んで「北斗くん」と呼んでみる。
「んー？どした？」
って、こっち見てくれないんだもん。
ゲームに夢中になっている北斗くんの腕を
人差し指で、つつつ…となぞってみる。
くすぐったそうに身を捩った北斗くんが、
やっとコントローラーを置いて私を見た。
「どうした？」
"ん？"ってキラキラした瞳に覗き込まれると、
何も言えなくなってしまう。
「…北斗くんは、私としたくないんですか？」
「っ…ちょ、ええ？！」
じ、と見つめる私に、北斗くんが息を呑むのがわかる。
「する、って…」
「言わせるんですか…」
「あ…そうだよね、あれしかないよな…」
「キスです！さっき、途中で、、」
思わず必死になってしまった私を見て
目を丸く開いた北斗くんが、ふう、とひとつ息を吐いた。
ソファの上で、
あぐらをかいた北斗くんと向かいあわせになった。
肩、背中、そして腰、
ゆっくり腕が回されて、ぐっと引き寄せられた。
わたしの心も、意識も。
北斗くんの心臓が、耳元にあって
ドクドクと言う音が聞こえてくる。
「汚したくないの、Aのこと」
「汚すって、、？」
「Aがあまりにも綺麗だから」
「どういう意味ですか？はっきり言ってくれないとわかりません」
「行間を、読みなさい」
「そんな…」
「…てか、また敬語に戻ってるし」
胸に閉じ込められているから
顔は見えなくて、声と振動と温もりだけが伝わってくる。
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リカ(プロフ) - 更新楽しみにしています (5月18日 0時) (
レス) id: 88810842d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 続きが気になります！更新待っています。 (2022年5月14日 4時) (レス) @page7 id: aef5fa864f (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 最高です！！！ (2022年5月1日 21時) (レス) @page7 id: 34004b60ef (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございます！よろしければまたお付き合いおねがいします。 (2022年4月26日 18時) (レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - aaさん» 素敵なお言葉ありがとうございます！また楽しんでいただけたら嬉しいです (2022年4月26日 18時) (レス) @page7 id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき
| 作成日時：2022年4月18日 3時
