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校門が見えてくる。

『私立開久高等学校』と書かれた看板は壊されたまま、墓標のように地面に突き刺さっていた。
 グレーの蛇腹の制服をだらしなく着こなし、座り込んでいたツッパリ達は、学校に向かって歩いてくるモスグリーンのブレザーの集団を見て、いっせいに立ち上がった。

 校門の奥ですぐに隊列を組み、凄い目つきで北根壊の前に立ちはだかる。

「うっほほー、聞きしにまさるツッパリ高校だね」
「よくもまぁ、こんなヤンキーがそろったもんだぜ」
「まぁ、ウチも人のことは言えねえけどな」

明らかにおちょくったその発言に、
バカにした笑い声が北根壊の隊列からこぼれた。

「今日からよろしく、開久高校のみなさん。北根壊で番やってる大嶽です」

まずは大嶽が名乗る。
静かながら、とてつもない圧が込められていた。

「同じく、柳だ」


二人に挟まれたAは、ただ真っ直ぐにツッパリ集団を見ながら不敵な笑みを見せる。

「大人しくしてますんで、どうか可愛がってください」

大嶽の台詞を合図にして、北根壊の隊列が
目の前の空気をスパッと切るように開久の集団を割って校舎へと歩きぬけた。

__________






「たいしたことねえな」

北根壊の頭をつとめる柳は、開久の校舎内を歩きながら、グレーの制服が尻込みしていることに気がついていた。

隣町にまで名前がとどろいていた開久も、今の北根壊の相手にはならないだろう。

隣を歩くAが、メンチを切る開久生徒を無視しながら呟く。

「確かに柄は悪いけど…まぁこのくらいの犬っころならゴロゴロいたわな」

その小馬鹿にした発言に、柳と大嶽も
鼻で笑って賛同した。

「まとめる奴がいねぇってのは本当の話らしいな。智司と相良ってのがやられた後、香取ってのがちょちょいとやられて、今はこれといった番がいねえようだ」

柳はどこか楽しそうに、確かめるように呟く。

「余裕で商売できそうだな」

大嶽にそう言われて、柳とAは軽く微笑んだ。
この開久は勿論のこと、ここら一帯の高校をまとめて制圧することが彼らの計画なのである。

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ひんやりだんご(プロフ) - さ??♀?さん» ありがとうございます!これからも宜しくお願いします! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - 子猫さん» 応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )検討させていただきますね! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
さ??♀?(プロフ) - 最高です! (2021年5月23日 2時) (レス) id: 74c8bfbc36 (このIDを非表示/違反報告)
子猫 - 凄く面白くて一気に読んでしまいました!北根の小説全然ないから嬉しいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ理子ちゃんと夢主が戦うのも凄く見てみたいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ書いてください! (2021年2月1日 3時) (レス) id: 54bec7b90e (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご - Luaさん» 楽しんでいただけて良かったです!これからも応援宜しくお願いします! (2020年9月20日 15時) (レス) id: 6187d0d719 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひんやりだんご | 作成日時:2020年7月23日 17時

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