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「別にいいと思うけど。…俺は行くぜ?その学校」
思いもよらず乗り気な柳を見て、Aと大嶽は瞠若した。
「珍しいじゃん、柳が文句言わずに素直に従うだなんて」
「どういう風の吹き回しだよ…お前こういうの1番嫌いじゃねぇの?」
一気に喋る二人に、柳はめんどくさそうに頭をかく。
出来れば察して欲しいと思ったが、大きなAの瞳に見透かされている気がして思わず口走った。
「うるさいな…おれはAがいれば何処でもいいんだよ」
「ははっ…嬉しい事言ってくれるじゃん。私も柳がいればいいや。」
Aは久々に笑った。
「なるほど」
大嶽はそう言って、悟ったように頷いた。
そして、柳の言葉の意味を理解しているのかいないのか分からないAの笑顔を見る。
こうして笑っていると、彼女もごく普通の女子高校生。このむさ苦しい男子高校では、大袈裟ではなく本当に一輪の花だ。
柳とは仲のいい幼なじみだと思っていたが、それ以上の関係になる日はいつか来るのだろうかとため息をついた。
「柳は本当にAが好きだよな」
「やかましいわ」
柳は急に恥ずかしくなった。
もう少し言い返そうかと思ったが、Aがかぶせるように言う。
「私は嬉しいよ?もっと皆にも素直になってくれれば良いんだけどね」
柳の肩を軽く叩くAは、本当に楽しそうだ。その顔があまりにも眩しかったので、柳はそれ以上口を開けなかった。
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ひんやりだんご(プロフ) - さ??♀?さん» ありがとうございます!これからも宜しくお願いします! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - 子猫さん» 応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )検討させていただきますね! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
さ??♀?(プロフ) - 最高です! (2021年5月23日 2時) (レス) id: 74c8bfbc36 (このIDを非表示/違反報告)
子猫 - 凄く面白くて一気に読んでしまいました!北根の小説全然ないから嬉しいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ理子ちゃんと夢主が戦うのも凄く見てみたいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ書いてください! (2021年2月1日 3時) (レス) id: 54bec7b90e (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご - Luaさん» 楽しんでいただけて良かったです!これからも応援宜しくお願いします! (2020年9月20日 15時) (レス) id: 6187d0d719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひんやりだんご | 作成日時:2020年7月23日 17時