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「結構やるじゃねえか」

ダメージを受けた北根壊生徒が起き上がる。
そして取り出したのは鎖。
 
普通の人間はこんなもの持ち歩くわけがないし、見せつけられたら当たり前に物怖じする所である。

三橋は少し驚いた。
勝てない喧嘩は買わないのも男である。
だがしかし、好きな女の前では強がりたいのもまた男であった。

「なんだそれ。随分と時代遅れの武器だな。まぁ、いいだろ。素手で俺に勝とうなんて千年早えんだよ」

振り回された鎖を、三橋と伊藤は簡単に避けた。
鎖が当たった壁が粉々に砕けたのを確認して、Aは少し眉を上げる。

「へぇ…やるじゃん」


さぁここからだ…とワクワクしたが、そんなAの予想とは裏腹に二人は顔を見合わせ、あわてて走り出した。

ところがその先で大嶽が手を広げて立ちはだかる。


「逃げてんじゃねえぞコラッ」

刃物のように鋭い目で睨む大嶽を目の前に、
あろうことか三橋は________、

笑い出した。

「フランケンゴリラ……」

つられた伊藤も、ふき出す。

「フランケンゴリラ!あっはははは!」

ぴったりのあだ名だと大笑いする二人を見て、Aはさらに興味が湧いた。
大嶽に初対面でこんな無礼な振る舞いをする奴を今まで見たことが無かったからである。


「笑ってんじゃねーぞ!」

しかし馬鹿にされて機嫌を損ねないツッパリはいない。
案の定、デカい拳が二人目掛けて飛んだ。

しかし、二人は身をかがめてしっかりかわすと、脱兎の如く逃げ出した。

「Aさぁん!また何処かで会いましょうね!」

北根壊の面々が慌てて追いかけるも、
近くにあった一台の自転車の存在で二人の背中はあっという間に見えなくなってしまった。

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ひんやりだんご(プロフ) - さ??♀?さん» ありがとうございます!これからも宜しくお願いします! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - 子猫さん» 応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )検討させていただきますね! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
さ??♀?(プロフ) - 最高です! (2021年5月23日 2時) (レス) id: 74c8bfbc36 (このIDを非表示/違反報告)
子猫 - 凄く面白くて一気に読んでしまいました!北根の小説全然ないから嬉しいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ理子ちゃんと夢主が戦うのも凄く見てみたいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ書いてください! (2021年2月1日 3時) (レス) id: 54bec7b90e (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご - Luaさん» 楽しんでいただけて良かったです!これからも応援宜しくお願いします! (2020年9月20日 15時) (レス) id: 6187d0d719 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひんやりだんご | 作成日時:2020年7月23日 17時

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