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言い合いをはじめる紅高二人だったが、
人の名前を憶えるのが苦手なAは、谷川の名前を憶えるのに必死である。

「そこは俺に譲るところだろぉ!案内わぁ!!…俺がするところだろぉ!そんであわよくばぁ!…一緒にお茶でもってゆう流れだろぉ!!」

谷川が冷静に突っ込む。

「うっわ……下心満載じゃないですか。っていうか!そういうのは本人に聞かれたら意味ないですって!」

「はっ!!!」

まるで今気づいたかのように…いや、本当に今気づいたのだろう。
しまったという顔をする今井。

この人おバカなんだなぁ
とAは思った。

「えぇっっと……僕は紅高で番長をしております、今井勝俊といいます」

今井…この人が紅高の。
紅高がどれ程かは知らないけど、番ってことはそこそこ強いのか?
なんて思いながらまた必死に喋る谷川を見るA

「いきなりの自己紹介…無かったことになりませんからね!」

 二人の漫才のような会話を黙って聞いているAに、後ろから凄い勢いで誰かが走ってきた。

「あっ!!!Aさん!」

息を切らしながら走って来たのは、北根壊の一年生。
Aは呑気に聞いた。

「あらぁ、どーしたよ?」

「どーしたのじゃないですって!貴方が側にいないと柳さんも大嶽さんも機嫌悪いんですから、直ぐ戻ってください!…勘弁してくださいよ!」

彼は走ってきたのでとても息が荒く、説明するのもようやっとの様子であった。

「何でAさんの居場所誰もしらねぇんだって、さっきも随分暴れてたのに…マジでそろそろ少年院行きですよ!」

流石に過保護すぎだなぁ、とAは呆れる。

「まぁ、そろそろ行くかもだよね」

まるで他人事のように言うAを見て、痺れを切らした下っぱは彼女の鞄を持って促した。

「何呑気なこと言ってんすか!ほら、はやく来てください!」

「えぇ…いや、これからサテンに…」

暫く渋ったAだったが、
また別の場所から北根壊の生徒がタイミングよく複数人現れる。

「Aさん!!!!」
「おい、こっちにいたぞ!!!」

これだけ集まれば、もう逃げ道は無い。

「…すみませんお二人とも。
ちょっと用事が出来ちゃったみたいなので、今日は帰ります。またいつか会いましょうね〜」

満面の笑顔で生徒達に連れて行かれる彼女を見て、呆気にとられた二人は素っ頓狂な顔をしていた。
「「かっ…可愛い」」

ためた末に出た二人の一言は、Aの耳に入っていないようだった。

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ひんやりだんご(プロフ) - さ??♀?さん» ありがとうございます!これからも宜しくお願いします! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - 子猫さん» 応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )検討させていただきますね! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
さ??♀?(プロフ) - 最高です! (2021年5月23日 2時) (レス) id: 74c8bfbc36 (このIDを非表示/違反報告)
子猫 - 凄く面白くて一気に読んでしまいました!北根の小説全然ないから嬉しいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ理子ちゃんと夢主が戦うのも凄く見てみたいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ書いてください! (2021年2月1日 3時) (レス) id: 54bec7b90e (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご - Luaさん» 楽しんでいただけて良かったです!これからも応援宜しくお願いします! (2020年9月20日 15時) (レス) id: 6187d0d719 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひんやりだんご | 作成日時:2020年7月23日 17時

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