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疲れたーと自分のデスクに戻った途端





項垂れるのが午後20時半。






あれ、うちって18時定時だよね。






なんて考えは一年目の秋ぐらいに置いていった。









「中野、今日何時?」









隣のデスクから先に帰社していた松村くんの声がする。







『21時半退社希望』






うわ、1時間しかないじゃん





慌てて身体を起こしてパソコンに向かうと








「俺手伝えることある?」









なんて優しすぎる言葉をかけられた。








手伝いは喉から手が出るほど欲しいけど







松村くんも異動してすぐから





前の部署の取引先もそのまま引っ張ってきてて





大忙しなはず。








さすがに、そんな人に手伝いを求められない。









『大丈夫』







私がパソコンを操作する手を止めないまま返事をすると







実は向かいのデスクのこーちが







「よし、今日終わったらご飯なー」







と、これまたパソコンに向かったまま喋る。






それが誰に向けてなのかは






ここにきたばかりの松村くん以外はみんな知っている。







『頑張るー』







そう、これは私とこーちのよくある会話。







お互いが残業続きの時に、思い立って
仕事終わりのご飯を提案し





それを気力に頑張るという流れ。








それを聞いていた松村くんは







「ちょ、それ俺もいくから」







パソコンから目を離さない私たちに向かって
そう言って、資料の添削をし始めた。

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作者名:Runaaaaa | 作成日時:2021年5月29日 23時

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