ねこといぬの恋の話 (ページ45)

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、

タクシーの運転手さんに
自宅の住所を伝え、

少しウトウトしながら外を見つめていると

いつの間にか、家の前で

お金を支払ってタクシーを降りる。

なんだか、疲れたな。

仕事からの飲み会はやはり疲労感が伴う。

普通のストレス発散の飲み会なら良いんだけどね

お酒も飲んでないし余計、だろうな。

コツコツとヒールを鳴らしながらエントランスに入ると

『え？なんで？』

松村くんがエレベーター付近でしゃがんでいる。

「やっと」

ゆっくりと立ち上がった彼の目はトロンとしていて

明らかに酔っ払っている。

『なんでこんなとこしゃがんでるの？大丈夫？』

気持ち悪くて動けなかったんだろうか？

少し足早に彼のそばへ寄っていくと

「家の鍵、会社に忘れた」

『え、私も会社の鍵ないよ、どうするの？』

「家、いれて…」

…は？

私が？彼を？家に招く？

いやいや、ダメダメ。

…でも、こんな酔っ払いを夜遅くに放っておくわけにもいかないし…。

確か、部屋もそんなに散らかっていない。

『いいよ』

仕方なく、彼を自分の家にあげた。