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貴 女 s i d e ページ8
家に帰っても、親はいない。
この家に一人暮らしだ。
いや、厳密に言うとたまに兄貴が帰って来る。
たった1人の家族だ。
今日は、その兄貴が帰ってくる日だった。
兄貴は、いつも帰ってくる日にはご飯を作ってくれる。
そして、私が眠るまでそばにいてくれる。
優しくて大好きな兄貴だ。
少し鼻歌なんて歌いながら、家路を急ぐ。
途中で、兄貴の好きな苺大福を買った。
兄貴は、苺大福には目がない。
甘いものは、とにかく好きでたくさん食べる。
そんな所が、女の子にはたまらないらしく、
子供の頃から兄貴はすごくモテた。
兄貴と私は、父親が違うので名前も顔も全然違う。
兄貴は、アメリカ人の父親を持っていたので、
ハーフなのだ。
私は、日本人の父親なので純日本顔だ。
そんな事を思い出しながら、私は家の鍵を開けた。
3年ぶりの再会に、胸を踊らせていた。
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作者名：森 村 れ あ ら .。 | 作成日時：2015年12月12日 16時
