先輩 .。 (ページ11)

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貴女 s i d e ページ11

次の日、目覚めてみると兄貴はもういなかった。
これもいつも通り。
兄貴は、私が寝ている間にいなくなる。
寂しいけど、仕方ない。
生活のために、兄貴は頑張ってくれているのだから。

そうして自分に喝を入れ、朝ごはんを食べて
制服に着替え、家を出た。

貴「(朝は本当嫌だな..
満員電車とか嫌い。)」

そんな事を考えながら、電車に乗った。
もちろん満員電車だった。
男の人たちに押し潰されそうになりながらも、
何とか頑張って耐えた。

-ﾄﾞﾝｯ-

誰かとぶつかった。
見てみると、同じ制服。
背の高さからいくと、2年生か。

貴「すいません..」

？「ぅわ、ごめんね！
怪我してない？」

見た目とは裏腹に、すごく優しそうな声を掛けてくれた。
見た目は、背だけでなく肩幅も広くて、ゴリマッチョって感じ。
肌色も黒めで、本当にゴリラって感じ。

貴「あ..大丈夫です。
そちらこそ、大丈夫ですか？」

？「おれ？
おれは大丈夫！
男だしね！」

と笑顔を見せた。
その笑顔は、とても子供っぽくて少年ぽさを
感じた。

？「てか、奏姫学園の制服だよね？
何年？」

貴「1年です..。」

？「1年かぁ！
おれ、2年の森本慎太郎っていうんだ！
よろしく！」

貴「よろしくお願いします。」

慎「今日会ったのも、何かの縁だし
おれたち友達になろうぜ！」

..え..？
友達..？

貴「友達..ですか？」

慎「うん、友達！
って、いきなり言われても困るか！」

"へへっ"と笑いながら言う先輩。
何だか可愛いなと思ってしまった。
初対面なのにな。

慎「あ、君の名前教えてよ！」

貴「姫宮(人1)です。」

慎「姫宮(人1)ちゃん？
可愛い名前だね！」

貴「いえ..」

慎「んじゃ、慣れるまでは姫宮さんって
呼ぶね！」

貴「じゃあ..森本先輩って呼びますね。」

慎「りょーかい！
こんな可愛い子と会えるなんて、
思ってもみなかったなぁ～！」

貴「ありがとうございます。」

慎「ジュリとホクトに自慢しよっと♪」

"ジュリ"と"ホクト"..？
誰なんだろう..

そんな事を思いながらも、結局登校するまで
聞けなかったのだった。