私がオタクを辞める時

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田中side

些細なことだった

割と同年代の人より、年上の人に応援してもらってたから高校生の子がライブに来ることが珍しくて、しかも俺の団扇を持ってくれて

いつの間にか目で追うようになってた

運がいいのか、俺の視界に入る席にいつもいてくれるから、見つけやすくて目が合えば照れてハニカム姿に、自然と顔が緩んでしまう


そんな彼女に何かしたい、俺も君を見てるよって伝えたくて、固定のファンサをするようになった


彼女は最初、何してるの？誰にしてるの？ってキョロキョロしてたけど、何公演も同じことをしてれば気付いてくれたみたいで、たまにガオーって返してくれることもあった


ガオーなんて俺のキャラではやんないけど、君のこともっと知りたいな(食べちゃいたいな)…なんて意味も込めてること教えてあげないよ


君がいる時しかやらないこと、他の子にやってって言われても首を振ってたことがいよいよ書かれてしまい、なかなか思うようにコミュニケーションが取れなくなってしまった…

彼女のためにも、やらないのが最善策なのも分かってるし、でもそれでも近くにいて欲しかったのに


しばらくは近くには来てくれなかった







だからこそ、近くに来た今日こそがチャンスだと思って、モニターを見るっていう理由をつけて接触した





Aの名前を知れた、固定なんかするよりももっと近くなれた気がした

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