ほこり。2《Sato Shori》

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大きな病院の前で


1人立ちつくす




君に会えることを願い、足を踏み入れた





「真村Aさんって入院してますか？」




「ご家族の方ですか？ずっと探していたんです」




ナースに声をかけると

安心したような顔を見せた



「まぁ、そんなとこです…

彼女は？」



「つい先程、予定されていた手術に向かわれました。」




「えぇ？！手術…？」




「はい。半年ほど前から予約されていたので

予定通り、今朝からオペ中です」




こちらでお待ちください、と連れていかれたのは


ドラマとかでよく見る手術室の前のベンチ





「どのくらい、かかるんですか？」





「脳の手術ですので、少し長くなることを覚悟していてください。」




ナースに頭をペコッと下げ

俺はベンチに腰掛けた




Aのノートを開く



昨日見れなかったところから

そっとページをめくる






俺の知らなかった君の思いが


ノートに書き綴られていて




目が覚めた君に言うことを決めた。




俺はもう迷わない



だから、無事に目が覚めてほしい







時間がどれだけ進んだだろう




手術室のランプが消え



中から真っ青な顔をしたAが出てくる



「無事終わりました」



その言葉を信じて、


俺はAを追いかけた

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