ジョングク栽培キット【JK】

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「んふふ。Aちゃん、あったかーい」





ンん〜〜ッ、かﾞ！わﾞ！いﾞ！ぃﾞｯｯ！！！

ぁっ、まッ、な、なん……、は？ハあァ。





両手広げて抱っこせがみーの、肩に頭コテン預けーの、背中トントンにおめめトロリーの……かあァ。

なんなの？この、この世の愛くるしいとキューティーを凝縮したあったか〜い塊は。

私が腹を痛めて産んだのか？いや産んでないけど、ある意味この世に産み落としたよ。

萌えと胸のきゅんが止まらない、ツラい…………。





と、このように、私も例外なく。

天才様の大発明にあやかり、愛しい愛しいピクチンを育成している所存でございます。

もしいつか栽培キットを作った発明家に会うことがあれば、地に額を擦り付けて平伏、そして美味しいヤンコチ辺りでも奢ってあげようと思っています。

心の底からありがとうございます……！！





「てきてき……、よるごはん、たべ……、れる？」





人間生きていれば、嫌なことや苦しいこと、様々な難(なん)はつきもの。

今が人生のどん底だと思っていたとしても、もしかしたらもっと先の未来で、現状より過酷な何かが待ち構えているかもしれない。





私が生きる現世は厳しく険しく、とてもじゃないけど良いとは言えないよ。

でも……、でもね？

これだけはハッキリ言い切れる。





「うん、美味しいのができてるよ。だからいい子で、おやすみ」





誰がなんと言おうと、私は今、すっごくすっごく幸せだよ。





「たの、しみ……、だなぁ〜、」





ジョングク、アナタがそばで笑っててくれれば。

ただ、それだけで。















友達でも恋人でもない、親子ともまたちょっと違う、関係性の名前が不確定の大切なパートナー。

この物語は、不思議な種から生まれた生命体ピクチンのジョングクと、私の周りを取り巻く人々との。

愛と笑いに溢れた、心温まる生活記録である────。


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