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イケメン店員が多いだけでも十分なのに、味も美味しくて見た目もSNS映えするようなものを作れば、もっと話題になるだろうと考えているらしい
『作る度に食べてるからそろそろ出荷できるくらいには肥えてきたかもしれん」
『豚は丸々としてた方が美味しいだろうから大丈夫だって』
「はあぁ??」
『見掛け倒しじゃダメなんだよスイーツは。まあオッパは見た目も中身もかっこいいけどね?』
この方は今私のことを豚と仰いました?
そんなことないよと否定されなかったことに少しムッとし、フンと鼻の穴を膨らませながら残りのカフェラテを一気に飲み干す
「よし、仕事仕事。ごっそーさま。美味しかったよ、オ・ッ・パ」
わざとらしいセリフを置いて隣接している自分の持ち場に向かうため足を向ける
口をぽかんと開けて頭にハテナを浮かべるジンくんは、なぜ今そのタイミングでそう呼ばれたのかよく分かっていないようであった
「ほら、みんなたーんとおたべよー。ってあれ?バム、今日はのんびりさんだね」
他の子たちがごはんにがっつく中、ドーベルマンのバムの食べるスピードがいつもよりちょっとだけ遅いような気がした
いつもなら我先にという勢いで誰よりも早く食べるのに
『昨日の夕方から少し風邪っぽいみたい。ここに書いてあるよ。見た感じ食欲ない訳ではなさそうだけど、しばらく様子みてあげよう』
同僚が手に持つ業務連絡用タブレットを横から覗き込むと、確かにその旨が書かれていた
「ほんとですね。めずらし」
『念の為朝は表に出さないでおこうか。ていうかあんたよく気づいたね、私には普段と大差ないように見えるけど』
「私ともなるとテレパシーで会話できるんですよ。こうやって」
頭をブンブン左右に振ってみせる
『頼もしいですこと。そのポニーテールって交信もできる優れものだったんだ』
「動物より奇想天外な言動する人間が周りに多いんで、そっちの交信の方が難儀ですよ」
『あ〜……そうね。いくつか顔が浮かぶわ』
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作者名:綻 | 作者ホームページ:https://twitter.com/_hokorochan_
作成日時:2022年11月27日 21時