今日もこの森の中で【ALL】 (ページ6)

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『おっポニーちゃん、おはよ』

「おはよ〜。今日も早いねジンくんは」

『いや、君がギリギリすぎるんだよ。どうせいつもみたくホソギに起こしてもらったんでしょ？』

「そうだけど。今日はまだちょっと余裕あるし、一昨日は1人で起きれたもん」

『昨日はダメだったんだね』

「まーまー細かいことはいいから。ね、目覚めの1杯淹れてよ。ミルクたっぷりなやつね」

カフェカウンターの中でオープン準備をしながら話していたジンくんはピタッと手を止めこちらに顔を上げる

徐々に口角が下がって、太くて凛々しい眉毛の間にシワを寄せていく

あ、くる、あれだ

『そうじゃないでしょ？いつも言ってるのに』

「今のでも伝わるんだからいいじゃん。っていうのもいつも言ってる」

『お願いするならそれ相応の言い方をしていただかないと』

「…………はぁ。わかったよ。ワールドワイドハンサムスペシャルラテお願いします、ソクジニオッパ」

『んー？最後のところよく聞こえなかったな』

「……ソクジニオッパ！！」

さっき下げた顔のパーツをグンと上に上げて、“ ヤ〜しょうがないな〜 ”とニヤニヤしながら小さいカップを取り出す

なかなかオッパと呼ばない私に、こうやって彼は試行錯誤しながら呼ばせようとしてくるのだ

“ ユンギにはオッパって呼ぶくせになんで俺のことは呼ばないんだよ ”

“ 別にジンくんでもいいじゃん ”

って言い合いはもはや日常で

とはいえさっきは大袈裟にため息なんてついたけど、実はこのやり取りをしてる時間がそれなりに気に入っている

だからたまにしか呼んであげない

呼んだ後見せるあの顔も好きだしね

「うん、今日のも美味しい」

『当たり前だろ？店長であるオッパが淹れたんだ。美味しくなぁれっておまじないもかけた』

「余計なカスタムは頼んでませんけどね」

『減らず口叩くなぁ〜。こら』

「いはい、はらひへー」

頬をつままれて横に伸びた私の顔を見ると、キュッキュッと口から変な音を出した

『例のカップケーキだけど、生地の配合変えて後からもっかい作ってみようと思ってるから』

「げっ。またあ？」

『決め手に欠けるんだ。頼むよ』

レジ横に置きたいって何度も試作を重ねているものだ

小さくラッピングされたものならテイクアウトでもコーヒーのついでに手に取りやすいだろうし

ジンくんやテヒョンイがレジに立つ時に勧めれば、初めて立ち寄った女性客も喜んで買ってくれるだろう、って

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