今日もこの森の中で【ALL】 (ページ23)

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「ほぉ〜んとコレ、最っ高に美味い！アッパ〜サランへ〜！！」

口元に手を当て彼の実家の方目掛けて叫ぶ

酔いもいい感じに回り、なんとなくつけているバラエティ番組のどうってことないシーンも、今の私にはお笑い番組のように面白おかしく思えてしまう

この前の例会の二の舞にならないようにセーブしようと思う気持ちはあるけれど、いざ飲み始めるとそんな反省は徐々に小さくなっていく

自分の家だから最悪別にいいか、とだんだん思考が緩くなっていった

『この豆腐と長芋の、ほんと日本酒によく合うな。気のせいかAの血と汗と涙の結晶の味もする』

「おててを犠牲にした甲斐があったよ。こっちの緑のカップ蕎麦もデリシャス！ほれ、食べてみぃ」

『――――𝑂ℎ！𝐼𝑡 𝑡𝑎𝑠𝑡𝑒𝑠 𝑔𝑜𝑜𝑑！』

ケラケラと笑いながら両手でハイタッチしてお互いそのまま後ろに倒れる

一度倒れたら起き上がる気力もなく

自然と瞼が下がりテレビから聞こえる騒々しい声を聞きながら、ダメだ、まだ寝ちゃダメだと自分に言い聞かせた

テーブルの上には散々飲み食いしたものがそのままだし、メイクだって落としていないし、お風呂にだって入っていない

このまま落ちたら気持ちが良いんだろうな

こんな所オンマ(・・・)にでも見られたら…………

嗚呼、想像したくもない

立たせてもらえさえれば動けると思って薄目を開けて横を見ると、隣の大男は既に口をあんぐりさせてイビキをかき始めていた

おいおい本気か？

なにひと足お先に気持ち良くなっちゃってるんだよ

このままだとやばい、ヤツのイビキすごいうるさいんだ

夜中に起こされることになるかな…………

でも

私も酔ってるから途中で起きることはないかぁ…………

頭がだんだん働かなくなってきた

ああもうむりだ

なんてことないいちにちだったけど

いま

すごい

しわあわせだ

おやすみなさい

【彼らとは】┈ 𝒇𝒊𝒏.

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