今日もこの森の中で【ALL】 (ページ37)

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『で？なんで俺も連れて来られたわけ？』

待ちに待った決戦日

薄汚い中華料理屋の立て看板の後ろに隠れる伸びた影が3つ

汚いくせに店からはなんともいい匂いが流れてきて、つい寄り道したくなってしまう

ゴクリと生唾を飲み込みなんとか堪え、ターゲットを視界から逃さないように姿を追う

『ちょぉっとユンギヒョン！そんな突っ立ってたらバレますって！！屈んでよ！！！！』

『その前にお前のそのクソでかい声でバレるわ』

「うまっこのあんぱん美味いわ。ほれお食べテヒョンア」

『むぐっほんとだ、おぃひぃ。あっっ牛乳こぼした！このために買った服なのにぃ！！』

『おいポニー。お前はさっきから俺の足踏んでんの気づいてねぇの？小指の先っちょだけ器用に踏みやがって。痛てーんだわ』

「お！マル対が動いたぞ！あの喫茶店に入った！あぁ、マル対ってのは対象者。ターゲットのことね」

昨日の夜寝る前に勉強した探偵用語をドヤ顔で披露する

後ろでオッパがため息をこぼしたが、今はそんな事どうだっていい

私とテヒョンイはチェックのハンチング帽にそれっぽいトレンチコート、雰囲気を出すために手には虫眼鏡を

オッパには控えめの方が良いかと刑事風サングラスを渡したが跳ね返された

自分だけコスチュームが違うから怒ってるんだろうか

『A師匠！俺らも入りますよ。今日こそ尻尾掴んでやりましょう』

「師匠は違うような……まあいいか。行くぞ子分たち」

『気付いてねぇみたいだから言っとくけど、今お前らここら辺で1番目立ってるからな。尾行の意味知ってっか？痛い目で見られてるから』

『……それにしてもヒョン今日よく喋りますね』

「何気に誰よりもワクワクしてるんでしょ？プククッ、かわい」

『あ゛？このボケの暴走止めんの他に誰がんいだよ。頼むから少し黙っとけ』

コソコソと店内に入ると観葉植物のおかげで2人からは見えづらくなっている席を見つけ、そこから様子を伺う

コンビニで買った競馬新聞を広げて顔を隠し、それっぽくして

でも店内はある程度広さがあって人も多いし気づかれなさそう

「ジンくんやけにお洒落にキメてるよね、あんな服持ってたんだ。見たことないんだけど」

『いつもは目チカチカするようなピンクの服ばっかなのにねー』

『なぁ今ヌナ(・・)って言わなかったか？』

「うっそ、言った！？」

『やっぱり親しい人なんだよ。彼女説が濃厚かぁ〜？』

『にしては余所行きの顔なんだよな』

「確かに貼り付けたような笑顔なのは気になる」

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