【派生作品】主観的幸福 (ページ5)

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第2話薬屋の息子ページ5

☽.*·̩͙

「いらっしゃいませ。どのようなお薬をお求めですか？」

「普通の傷薬と二日酔い用のものが欲しいな。それぞれ5つずつ。」

「かしこまりました。少々お待ちくださいね。」

そう言ってお客さんをお待たせしないよう、小走りで薬棚の方へ行く。
...あった！傷薬と二日酔いだよね。
ふふ、薬を探すのも慣れたものだなぁ。

「お待たせしました。こちらが傷薬と二日酔い用の薬でございます。このお薬の使用についての説明は必要でしょうか？」

「いや、いいよ。使ったことがあるからね。代金はそこに置いてあるよ。」

...ん？ちょっと多いな。
お釣りはいくらぐらいだろう。

「はい、お預かり致しました。お釣りは...」

そう言うとお客さんは少し笑って僕の言葉を遮った。

「多い分はチップだ。あんたの接客は、なんか心地良かった。...返すなんてナンセンスなことはやめてくれよ？お客の好意を受け取るのも礼儀だ。」

「へ、あ、はい！ありがとうございます！」

そう言ってお客さんは帰ってしまった。
この村『シーガーナ』にはチップの文化が無い。
なので彼はシーガーナの村人ではなく、旅人か、少なくてもこの村の方ではないかも。
うーん、何回貰ってもあまりなれないというか、チップ分のお金が輝いて見えるというか。
は、恥ずかしい...。