つづき ページ7
☽.*·̩͙
「確かにリアムが選ばれたことは喜ばしいことですが、それとこれとでは話が違いますね〜。」
「ええ、10割喜びの感情ではございません。私たちはバルドル教の信仰者である以前に、リアムの親です。この子のことを心配する気持ちの方が遥かに大きいです。ですが神託である以上、やらねばならないことであるのは理解しています。なので約束して頂けますか。」
「...何をでしょう。」
「リアムの安全を確保してください。」
「リアムにバルドル様の加護をお与えになってください。」
父さんと母さんから発せられたその言葉は、聖堂教会の方々を威圧するかのような、僕を守ろうとしてくれているような、そんな強さを持っていた。
「ええ、もちろんですとも。彼にバルドル様への信仰心がある限り、バルドル様がの御加護がリアム様を包むでしょう。それに旅には神子様をお守りする守護騎士がお供致します。ご安心ください。」
「...そうですか〜。分かりました〜。聖堂教会の皆さんはリアムと一緒に王都エーデルシュタインに向かうんでしたっけ〜？いつ頃でしょうか〜？」
「明日の朝に出発予定です。それまで家族との時間をお過ごしください。」
「分かりました。では外まで送りましょう。」
そう言って母さんが立とうとすると、聖堂教会の1人である、若い青年が何か思い出した様子で、あっ...と呟いた。
「そうだ、一応『聖痕』を見せて頂いてもよろしいでしょうか。身体に浮かび上がる赤い模様の事なのですが、神子様なら『聖痕』がございます。見せにくい場所にあるようでしたら、教会の個室で。」
あれって病気じゃないのか。
良かったようななんというか...。
「...個室でお願いできますか。人様の前で見せられる格好にはならないので。」
「かしこまりました。では教会に向かいましょう。私1人が個室に入るので、安心してください。」
「分かりました〜。母さん、外まで送っていこうか〜。」
「そうね。では皆様、こちらへ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ホッケ | 作成日時：2020年7月9日 4時
