第1話 少し違う朝 ページ3
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何も無い、白い空間に、僕だけが立っている。
広いのか狭いのか、判断できるようなオブジェも無い。
「 」
誰かが、僕に話しかけている。
その声が、男性のものか女性のものかは分からないが、確かに聞こえる。
「...?すまない、もう一度...」
そう言うと、辺り一面光り出した。
とても眩しく、目を開けられない。
「 」
また彼、彼女が話している。
だけど、それには答えたくない気がして、でも答えなくちゃいけない気がして。
戸惑う気持ちを持ちながらも世界は変わっていき、ふと気づけば...。
「...うう、眩しい。」
「おはようリアム〜。気持ちいい朝だぞ〜!朝ごはんはお父さんが作っといたからな〜。」
...確かに快晴だ。
寝起きの僕の目が焼かれそうに思えるほどの光を窓から感じる。
でも何で父さんが僕の部屋に...?
「...うん、おはよう...って、あ!もしかして僕、寝坊した?」
恐る恐る聞くと、いつも通りのほんわかした声で返答が来た。
「うん〜。でも大丈夫だよ〜。お父さんも久々に料理を振る舞いたかったんだ〜。」
「...そう?ごめんね。洗い物は僕がやるから!」
「いいのか〜い?ありがと〜!」
そう言って父さんは、微笑みを笑顔に変えた。
...うーん、僕あまり寝坊はしないんだけどなぁ。
まあ、こんな日もあるか。
半覚醒の身体で伸びをし、ベッドから出る。
身支度を整えないとな...って...
「え?なに、これ。」
視線の先にあるのは右脚の太もも、いや正確にはそこに浮かび上がっている赤い模様。
病気かな?でもこんな病気は聞いたことが無いし、治りそうな薬も知らない。
...とりあえず父さんと母さんには黙っていようかな。
何かしらの症状が出てきたら言おう。
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作者名:ホッケ | 作成日時:2020年7月9日 4時