保健室のカズナリ先生【×Ｎ】 (ページ2)

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「……あれ？開いてない、……」

今日もいつものように保健室で勉強をしようかと思っていたけれど、先生が主張にでも行っているのか、開いていない保健室。

図書室に行くしかないかな……。

諦めて図書室で勉強するけど、保健室でする時に比べて微妙に集中できない。

静かだけど、何かが違う。

そりゃ保健室と図書室は違うけど、でもなんて言うんだろう、そうじゃない何か？が違うっていうか。

なんで、だろう。

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「……あ、今日は開いてる。……失礼します」

「あ、櫻井くん。ふふ、いらっしゃい」

イスに座っていた先生が立ち上がった。

「櫻井くん、昨日来た？」

「え？あ、来ました」

「そっかあ。ごめんね、居なくて」

「あ、いえ。大丈夫です」

「俺に会えなくて寂しくなかった？」

「……へ、？」

んー？どうなの？と、首を傾げた先生に顔を覗き込まれる。

「どう、って……」

「くふふ。俺は寂しかったよ？」

「え……そう、なんですか」

「そうだよ？めちゃくちゃ寂しかった。

　櫻井くん来るかなあ、会いたいなあ、って思ってたのに出張なんだもん。

ねえ櫻井くん、会いたかった」

「っ、……」

不覚にもドキッとしてしまった。

からかうために言っているのか、本気で言っているのか。

何のために言っているのか。

判断できない。

「……って、こんなこと言われても困るよね。ごめんね？
　櫻井くん、今日も勉強？」

「え、あ、……はい、……」

「ふふ、どうぞ」

「ありがとう、ございます」

いつものように座って、ノート等を広げて勉強を始める。

先生もまたいつものように隣に座る。

テーブルに頬杖をつく先生。

じーっと見られているのがわかる。

やっぱり何かが違うのか、図書室よりずっと良いし居心地も良いんだけれど、

さっきの先生の言葉が引っ掛かって、集中できない。

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