放課後の背中part5 【Satoshi】 (ページ4)

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139:どうして…　ページ4

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翔「A・・・聞いてる？」

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泣いてるのがばれないように、口を開けて息をして

まぶたをかたく閉じた。

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翔「Aと一緒にいれる時間も増えるしさ」

「そんなの・・・っ」

翔「とりあえず今回はこれで行こうよ、な？」

「・・・友達ばっかりじゃない」

翔「ばっかりって・・・」

「私は＿＿」

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更に力を込めて握る右手に、剥がれ落ちる錆が突き刺さる。

もう一度大きく息を吸って、ゆっくりと吐いた。

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「一緒にいれても、そんなの嬉しくなっ・・ぃ・・。
翔が、友達といたいなら・・・それでいいもう。

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あたしは、ひとりでいい」

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心が粉々にくだけて、砂になって空に舞う。

月は雲に隠れて、今は遠ざかったはずの波音が耳を撫でた。

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翔の、深いため息が聞こえた。

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翔「A、あのさ」

「友達が・・・恋人みたい」

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翔「んなことないよ、Aだろ俺の恋人は」

「じゃぁどうして・・・どうして・・・」

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「ふたりでって・・・そう言ったじゃないっ。
一緒とかじゃなくて、ふたりでって、そうあたしは思ったのに・・・」

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”どんなときだって、センセの傍にいる”

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そう優しく私の手を握って言ってくれた声が

耳の奥でこだました。

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”この世が終わるっていう、そんときまでいる”

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この世の最後に、二人だけでいようと言ってくれた声が

堪えていた涙を押し流す。

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”センセのいる場所に、俺いるから”

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私の場所・・・・・・

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うっすらまぶたを開いても、まるで海の中にいるように
涙で前が見えなかった。

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