放課後の背中part5 【Satoshi】 (ページ27)

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162:雅紀と大ﾁｬﾝ　亜子Side ページ27

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大ﾁｬﾝはすっごいモテる。

雅紀もそこそこだけど、それよりもっとモテる。

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しょっちゅう後輩の子たちが廊下を通っては、大ﾁｬﾝを見ていく。

キャーキャー言われてもいつも通りで、この間なんて鼻ほじってた。

それでも大ﾁｬﾝの人気はすごくって・・・でもでもでも。

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大ﾁｬﾝは誰に告白されても、誘われても

”わりーけど無理”

その一言を繰り返してきた。

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なのに、あんな・・・あんな女と・・・なんで？

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亜「な・・なんでっ？なんであの性格ブス女とっ！！」

雅「ってぇ・・・びっくりすんだろっ！」

亜「だからっなんでっあの女となのっ！！」

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”俺にもわかんねぇよ”

倒れたまま、小さく雅紀は言った。

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ガタガタと乱暴に椅子を、雅紀がなおす。

バッグを手に取って、ほら行くよって前を横切ってく。

その後ろ姿が、教室から廊下に出ようとしたとき

はっと気づいて慌てて後を追いかけた。

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亜「ねぇ雅紀、もしかして大ﾁｬﾝとケンカした？」

雅「はっ？してねぇよ、みりゃわかんじゃん」

亜「だって大ﾁｬﾝの一番仲良しは雅紀じゃん。なのになんでわかんないの？」

雅「・・・んなの俺に言ったって」

亜「ねぇ、もしかしてずっと雅紀おかしいのって大ﾁｬﾝのせい？」

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雅紀がぴたりと立ち止まって、またあのため息をついた。

ぼーっとしたときにつく、あのいやぁーな秘密のため息。

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雅「・・・だったら？」

亜「だったら・・ていうか、そうなら・・なんか亜子にも助けられるかもじゃん」

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そう言ったら、鼻で笑って

雅「亜子なんかには無理だよ(笑)」

って伸びてきたポニーテールを手で揺らした。

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前は、雅紀にそうやって子ども扱いされても

構ってもらえてる、亜子だけ特別に思えて嬉しかったのにな・・・。

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勝手に、自分だけ大人になってくみたいに

いつのまにかすごい上の方からあたしを見下ろす雅紀が

隠し事なんかしたことなかったのに、平気で秘密をもつことが

寂しくて・・・苦しくて・・・すごくやだって思った。

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