放課後の背中part5 【Satoshi】 (ページ25)

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160:ぬくもりページ25

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二「よくカワイイ嘘をつく、おちゃめなニノﾁｬﾝですが」

「・・・・・ぇ？」

二「今からくそまじめに、本当のことを言っちゃいます」

「・・・・・はぃ」

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隣のニノﾁｬﾝがサンダルを脱いで、ベッドの上に胡坐を組む。

その上に置いた両手が、ふっくらと可愛らしくて

よくわからないけどすごく、すごくほっとした。

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二「よく頑張ってたよ、Aﾁｬﾝは。

見てて切ないほど、必死に無理してた」

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二「毎朝、だてに電話してきたわけじゃないからね(笑)

・・・声だけだってわかんのよ」

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私が大きく息を吸って、それをゆっくり吐きおわるのを

ニノﾁｬﾝは隣で黙って待ってくれた。

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二「お前はさ、何を・・・どうしたってね？」

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二「大野のことが、好きなんだよ」

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”だろ？”

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低く優しい声が、心にじわりと染み込んでいく。

コーヒーの味が残る喉の奥から、苦しいと叫ぶ自分の声がする。

その声は、音にならない代わりに涙になって溢れ出した。

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「ニノ・・ﾁｬﾝ・・・あたしっ・・」

二「いいから、とりあえずはさ」

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”思いっきり泣いちゃえ”

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そう言ったと思ったら、胡坐をかいたままずるずると近づく。

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二「俺の胸で泣けるってすっげぇラッキーよ(笑)？」

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包み込まれたニノﾁｬﾝの白衣の中は、あったかかった。

吸ってばかりのタバコのニオイはしなくて、あったかいニオイがした。

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二「堪えてっから苦しいんだよ。我慢なんかできもしねぇくせに(笑)」

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頭をポンポンされて、私は初めて

みっともないほど、おもいっきり泣いた。

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ニノﾁｬﾝは

”よーしよし、よーしよし”

ってまるで子供をあやすように、泣きやむまでそのままでいてくれた。

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