放課後の背中part5 【Satoshi】 (ページ22)

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157:見苦しい嫉妬ページ22

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*「これから大ﾁｬﾝとデートなの。だから雨だろうとなんだろうと平気」

翔「お前と大野が・・・？」

*「てゆっかカラオケ行くだけなんだけどね(笑)
それでもずーっと誘い続けてやっとだよ？
このあたしが何回誘っても、めんどくせぇ～ばっかりなんだもん」

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”ねっ、大ﾁｬﾝ♪”

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いちいち腕触って言わなくてもいいのに。

大野君だって、なんで嫌がりもせず好きなように触らせてるの・・・

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どんどんイライラが増えていく。

そんな自分がどうしようもなくて腹が立つ。

悔しくて泣きそうになる自分に嫌気がさす。

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横で翔と彼女が何かを話してるけれど、

私は、聞こえない人の声に耳を澄ましていた。

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その時

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”あっ、A先生そのピアスかぁーわいい♪”

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髪に隠してたはずの耳が、彼女の手でヒラリと空気に触れて思わず肩をすくめた。

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数日前に通りがかった雑貨屋で買った、小さな星のピアス。

近づかないと星形とすらわからないほど小さくて

だけど、一番星みたいに輝く金色が気に入って買った。

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それを彼女の手で晒されたことに、またイラっとした。

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この場からさっさと立ち去れたらと思うのに、足に力が入らないまま
抱えた箱を持ち直すふりして、視線を斜め向こうに落とす。

一言も口にしない大野君が、今誰を見て何を考えてるかも知りたくなかった。

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怒る資格も

泣く資格も

ましてや

嫉妬する資格なんか、私にはないのに。

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*「ってことでじゃぁねー先生たちもごゆっくり～(笑)」

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短いスカートからスラリと伸びたきれいな脚が、俯く私の横を通り抜ける。

少し遅れて、その後ろをつぶした上履きがゆっくりと通り過ぎて行った。

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何も、言わないまま

通り過ぎて行った。

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