放課後の背中part5 【Satoshi】 (ページ16)

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151:疑問の答えページ16

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夏休みが終わり、新学期の慌ただしさのなか

ヒトリになった私の時間も動き出す。

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春から夏への変わり目は、すごくはっきりしているのに

夏から秋への変わり目は、すごく曖昧で

突然感じる風の冷たさに、心がひゅぅっと音をたてた。

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同じように曖昧なままの私と大野君は

会うこともないまま時間だけが過ぎていた。

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翔とは、あれから一度私から連絡をして会った。

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つき合って初めて二人で行ったバー。

早めについたつもりが、あの時の様に翔は先にいて

”ごめん、先に飲んでた”

おんなじ台詞で笑った。

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今まではなせなかった過去の恋の話も、今の自分の気持ちも

失いそうで怖い気持ちがずっと消えないまま翔とはすごせないと。

涙は、やっぱりこらえきれず流れてしまったけれど、すべてを話した。

翔はうなづきながら、カウンターの上に組んだ手をきつく握りしめていた。

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翔「・・・雨」

「・・・え？」

翔「ただ、苦手なだけだと思ってた。違ったんだね」

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私の方にそっと顔を向けて、目が合うとゆっくりその視線を手元に戻した。

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翔「・・・知らなくてごめん」

「そんな、翔が謝ることじゃない。私が言わなかったんだもの」

翔「なんで言ってくれなかったの？」

「・・・そ、れは」

翔「二宮が・・・知ってて当たり前みたいに話してて。
ちょっとむかついた(笑)」

「二宮先生に聞いたの？」

翔「悪い、ちょっとだけ相談っぽい感じで話聞いたんだ。
そんときその話が・・・出たから。

悔しいから知ってるふりしたりしてさ(笑)」

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穏やかに、素直な疑問として翔は聞いた。

だけど私にもその答えはわからなかった。

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