放課後の背中part5 【Satoshi】 (ページ15)

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150:友達　雅紀Side ページ15

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雅「大ﾁｬﾝ・・・A・・先生となんかあったの？」

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人っ子一人いない真夜中の土手で

顔を寄せてこっそりの声で聞く。

バカみたいに直球な聞き方しかできなくて、頭をガシガシかきむしった。

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雅「言いたくないなら＿＿」

智「俺のこと、大好きだって」

雅「・・・えっ？」

智「ずっと・・・好きだったって」

雅「なら・・・なんで・・・」

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好きって言われたのに、そんな悲しい涙流す意味がわからなくて

意味もなくきょろきょろしてから大ﾁｬﾝの答えを待ってたら

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両手で、顔をごしごし拭いた大ﾁｬﾝが

ほんの少し顔を上げて、ため息と一緒に言った。

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智「好き・・だから、一緒には・・・いらんねぇって」

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雅「生徒だから・・ってこと？」

智「ってのと・・・たぶん、彼氏が櫻井だからかね」

雅「・・・・・ええっ！！？？」

智「別れるっぽいこと言ってたけど、そこしつこく聞けねぇし。

・・・彼氏の教え子って、普通に生徒より最悪じゃん(笑)」

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乾いた大ﾁｬﾝの笑い声が、夜に吸い込まれて消える。

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智「いっぱいいっぱいのセンセに・・・我がまま言ったらそれこそガキじゃん。
言いたいこと全部ひっこめて我慢して。ずっと待ってるってだけ言った」

雅「先生なんて？」

智「なんも。俺が勝手に待ってるだけっつったし？・・・でも」

雅「でも？」

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智「もぉ・・・会いたくて・・・気が狂いそ・・・」

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雅「学校で会えるよ・・・もうじきさ」

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俺ってどうしてこうなんだろ・・・(泣)

ひっくり返りそうな声で言った的外れな言葉に、大ﾁｬﾝは小さく笑った。

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智「会ったら、近づくだけで・・・俺ぶっ壊れる気がする」

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そう泣きながら大ﾁｬﾝは笑って、少しの間黙り込んでから。

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智「だから俺ね・・・決めた」

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”相葉ﾁｬﾝにだけは、言っとかねぇとさ”

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もらい泣きを堪える俺の頭を軽く小突く。

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智「俺の、一番の友達だし？」

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吹き抜ける風は、夏と秋とが混ざり合った匂いがした。

大ﾁｬﾝが俺にだけ言っておきたい話を、俺はボロ泣きで聞いた。

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